こんにちは!みてわか編集部です。
私たちは重度知的障がいをともなう自閉スペクトラム症の方の支援方法についてご提案しています。
もともとこのサイトをつくろうと思ったきっかけは、ある男の子(マル君)の支援経験があったからです。
マル君はDQ10~15くらい、最重度の知的障がいがあります。
その知的障がいの重さからスケジュールをするのは難しいと言われていました。
でもそれは違います。それはただの支援する側の知識不足。
ご本人さんがみてわかるようにスケジュールを準備すれば必ずできます。
これまででスケジュールのながれはできあがりました。
今回は、上から順番のスキルとスケジュールを貼る最適な場所について考えていきたいと思います。
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完成したスケジュールを使うときに、実はマル君にまだできないことが1つだけあります。
それは『上から順番にとる』です。
上から順番にとるスキル
上から順番にとるスキルはマル君にとっては今まであまり経験のないスキルです。
矢印をつけたり、枠をつける方法もあります。
矢印や枠の意味が理解できる方ならこれでももちろんOKです。
ですが矢印も枠もマル君には意味がありませんでした。
マル君が『上から順番にとる』をできるようになるためには上から順番にとることを経験していくしかありません。
スケジュールを見た時には、上から順番にとるものなんだ。
ということを覚えてもらいます。
覚えてもらうためには、初めのうちは支援する方が手を添えてマル君に上からとってもらいます。
この経験を繰り返すうちに、だんだん覚えていきます。
ただ、これ。結構時間がかかりますし、根気が必要です。
諦めずに何か月も何年も繰り返してください。
実際マル君は半年以上かかりましたし、それでも時々順番をとばすこともあります。
スケジュールを貼る位置
『上から順番にとる』をやりやすくするために、スケジュールを貼る高さが大事になってきます。
上から順番にとりやすくなる高さがあります。
あくまで上からとりやすくなるだけで、完全に上からとれるようになるわけではありません。一番大事なのは経験です。
人の目線はふだんまっすぐよりは少し下を見ています。
これは障がいの有無に関係ありません。
そこでスケジュールの一番上のスケジュールケースを一番見やすいような目線に合わせます。
スケジュールをすすめていくと少しずつ目線は下げる必要がありますが、その時に一番上にあるものが一番見やすいことには変わりありません。
また目線だけでなく手を伸ばしてとるのも下にあるほど取りにくいので自然と上から順番にとりやすくなります。
極端な例をあげます。
このように目線よりも上に貼るのと比べると、上から順番にどちらが取りやすいかわかります。
左側の方がマル君も上から順番にとりやすいですよね。
マル君の目線の位置に合わせて、スケジュールはこのように貼ることにします。
スケジュールを貼る場所
できあがったスケジュールも貼る場所によっては使いにくくなることがあります。
マル君が使いやすいような場所はどんな所でしょうか?
スケジュールは活動と活動の間に毎回見に行く必要があるものです。
なのに、部屋の隅っこにあったのではいちいちスケジュールを見に行くのがマル君だって面倒になります。
スケジュールを貼る場所は
・よく通る場所(活動場所から活動場所に移動するときの動線上)
・目につく場所
・活動の邪魔にならない場所
にしておくと使いやすくなります。
つまり、よく通るし見やすいんだけど何も活動しない場所です。
自宅だったら、リビングで人の通り道になっているような場所の壁などがいいと思います。
学校だったら、入口ドアの近くの壁もいいかもしれません。
また実際貼ってみて、マル君が動きにくそうだったら場所を変えてみればいいと思います。
まとめ
スケジュールも貼って、いよいよ準備万端です。
ただ、スケジュールをマル君が使いたくなるようにするには工夫が必要です。
次に、マル君がわくわくするスケジュールをたてていきましょう。